…窓の外が少しずつ明るくなってきた。朝だ。
そのとき、制御卓の上に、四角い小さな機械があるのが目に入った。
同じものを前の遺跡群で幾つか見かけたことがある。だがそれらは、 長い間砂塵にさらされたせいで、使い物にならなくなってしまっていた。 でももしかするとこいつは…！
騒ぐものどもを無理矢理押さえ込む。体は悲鳴を上げながら血を吹きだした。 しかし行動の自由は取り返すことができた。
どうにか呼吸を整え、なんとか立ち上がった。

制御卓の上に手を伸ばす。 その四角い小さな機械を取り上げると、スイッチを入れた。 何の反応もない。やはり電源ユニットが空になっているようだ。 震える手で、荷物の中からライトを取り出した。
電源ユニットを注意深く外し、四角い小さな機械に付け替えた。
もう一度スイッチを入れる。表示灯が光った。
「…ざざ…ざ………ざ……ざ…ざ………」
コントロール部を操作し、何度も何度も受信方法を変えてみた。
「…ざ………ざ…ざ………ざ………ざ………ざ……ざ…ざ………」
無理もない。この建造物に据え付けられた通信機とは比べ物にならないほど 出力もなければ精度も低いのだ。

スイッチを切ると、その小さな機械をそっと荷物の中にしまった。

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