夏秋冬春

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登場人物

主人公：人間。あきが好き。無力。

あき：一見穏やかそうに見えるが
　　いまいちつかみどころのない性格。
　　雷撃と嵐の技が得意。

ナツ：遊ぶの大好き。わりとわがまま。
　　熱と炎の技が得意。

フユ：微妙にイヤミ？
　　氷雪の技が得意。

はる：かつて存在したらしい。
　　命と癒しの技の使い手だという…？
　　
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主人公：あき！

あき：ごめんなさい。
　　　今は、あなたのそばには
　　　いられない。

あき：３ヶ月だけ
　　　待っていて。
　　　そうすれば、
　　　きっと…。

主人公：あきー!!!

（去っていくあき、涙目の主人公）

（タイトル：夏秋冬春）

ナツ：あそぼー！！！
（熱波と共にやってくるナツ）

（焦げる主人公）
主人公：ナツ…。

ナツ：！
　　　誰かと会ってたの？
　　　…あき！？

主人公：（ぎくっとする）

ナツ：ナツと遊ぶの！！！
（爆炎を吹き出す）

主人公：わー！！！
（黒焦げになる主人公）

＊　　　　＊　　　　＊

（包帯姿でバッテン目x_xで寝ている主人公）

あき：大丈夫？

主人公：あき…！
　　　　来てくれたのか！

あき：ちょっと様子を
　　　見に来ただけ。
　　　朝になったら帰らなきゃ。

主人公：あき…。
　　　　お願いだ…。
　　　　早く来てくれ…。

あき：（首を振る）
　　　今はナツと、
　　　仲良くしてあげて。
　　　
主人公：でも…。

あき：…。
　　　そうね。
　　　ナツも昔はもあんなに
　　　激しくはなかった。
　　　時があの子を
　　　変えてしまったのね…。

あき：変わってしまったのは、
　　わたしも同じ…。
（振り向くあき。ナツが立っている）

ナツ：…！
　　　あき…！？

あき：（伏し目がちに主人公の方を少し見て消える）

ナツ：（涙目になるナツ）
　　　ひどい…！

主人公：（ぎくぎくっとする）

ナツ：今はナツと、
　　　一緒に遊ぶの！！！
（業火に巻き込まれる主人公）

＊　　　　　＊　　　　　＊

ナレーション：3ヶ月後

（片手でほぼ消し炭になった主人公をひきずり、
もう片方の手で浮き輪を小脇に抱え、意気揚々と歩くナツ）

ナツ：次は海行こー！

（ハッとするナツ。あきが立っている。）
ナツ：あき…！

（へろへろ状態で、あきを見上げる主人公）
主人公：来てくれたのか、
　　　　あき…！

あき：（かすかにほほ笑むが、
　　　　すぐに厳しい顔になり）
　　　ナツ、時間よ。

ナツ：やだ！

あき：ナツ…！

ナツ：ナツはずっと
　　　ここにいるもん！
　　　ここでずっと
　　　遊ぶんだもん！

あき：駄目よ。
　　　（雷撃の技の構え）　　　

ナツ：！
　　　（爆炎の技の構え）

（戦うナツとあき。雷鳴が鳴り響き台風が巻き起こる。
X_X @_@ 状態で間で転がる主人公）

（次第に押されていくナツ）
ナツ：…！

あき：さよなら、ナツ。
（雷撃を放つあき。雷がナツにクリーンヒット。
倒れるナツ。）

（ナツの傍らに片膝をつくあき。
あきを見上げるナツ）

ナツ：みんな、
　　　遊んでくれないんだもん…。
　　　ナツ、遊ぶの大好きなのに…。

あき：そうね…。

あき：来年…。いえ、
　　　でもいつか必ず、
　　　みんな、またナツと一緒に
　　　遊んでくれるようになるわ。

ナツ：本当？

あき：本当よ。
　　　だから、
　　　今はお休みなさい。

ナツ：…。
　　　うん。（かすかに微笑み、目を閉じて消える。）

あき：…。

（あきの方を見る主人公）
主人公：あき…。

あき：（主人公を回復技で癒し、手を取る）

主人公：ありがとう。

あき：（かすかにほほ笑む）
　　　さあ、行きましょう。
　　　一緒に美術館でもどう？

主人公：（嬉しそうにうなずく）ああ！

＊　　　　　＊　　　　　＊

ナレーション：1週間後

（あきとおそろいのジャケットを着て
あきと並んで嬉しそうに歩く主人公。
静かにほほ笑むあき。だが、ふと足を止める。）

あき：…一年ぶりね。フユ。

主人公：…！？

（いつの間にか目の前にフユが立っている、）
　　　
フユ：時間だ。

あき：ええ。

（右手を高く掲げるフユ。
いつの間にかその手に氷剣が握られている）

主人公：あき…！

（うるさそうに左手をちょっと振るフユ。
北風に簡単に飛ばされる主人公）

主人公：わー！！

フユ：さよなら、あき。

（氷剣が一閃、あきを貫く。
倒れるあき。）

主人公：あきー！！！

あき：さようなら。
　　…また、来年ね。
　　（苦しそうに少し笑って消える）

主人公：…あき…。

フユ：あきはね、
　　強くなったナツを倒すために
　　力をほとんど
　　使い果たしてしまっていたんだ。
　　そうでなければもっと長く
　　ここにいられたのに。

フユ：君たちのせいだよ。
　
主人公：…。

フユ：君、ナツに対しても
　　ひどかったよね。
　　あの子がああなってしまったのも
　　君たちのせいだ。

フユ：今は、はるはもういない。
　　　それでも桜は咲くけどね。

フユ：僕から君を救い出してくれるのは
　　　ナツしかいないんだ。
　　　わかってるんだろう？

主人公：…。

フユ：ナツが来るまでは、
　　僕が遊び相手だ。
　　まだまだ時間は
　　たっぷりある。

（吹雪がフユの手から噴き出す）

主人公：わー！！！

（這う這うの体で家に駆け込み、
　こたつに逃げ込む主人公）

フユ：ち。

＊　　　　　＊　　　　　＊

ナレーション：4月。

フユ：（つまらなそうに）
　　…文明の利器とは
　　たいしたもんだね。

主人公：（こたつに首までもぐっている）
　　　　X_X…。

フユ：まったく…。

（ふと窓から外を見てハッとするフユ。
いつの間にか桜が満開になっている）

（桜の根元に誰かが立っている）

フユ：…！？
　　はる…？

（人影がにっこり微笑んだように見える）

フユ：はる…！
（人影のほうに走っていくフユ。
　人影を抱きしめた瞬間、
人影も、フユも煙のように消えてしまう。）

（家から出てくる主人公）

主人公：あったかい…。はる…？

（ナツがやってくる）

ナツ：やっほー。
　　ひさしぶり。
　　…あれ？フユは？

主人公：…？
　　　　さっきまでここにいたけど…。

ナツ：ふーん…？
　　ま、いいや。
　　遊びにいこー！！

主人公：あつい…。
　　　　あついよ…。^^;;;

（ちょっとムッとするナツ）

主人公：（ハッとして）
　　　　ナツ、山へ行こうか。
　　　　少しは涼しいし。

ナツ：（にっこり笑う）うん！

END

（おまけページ）

ナレーション：２か月後…

ナツ：あそぼー！
　　海いこー！！

主人公：（黒焦げになって倒れている）
　　　　あき…。早く来てくれ…。

こんどこそほんとに
END